映画未視聴コンプレックス

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映画【マッドマックス 怒りのデス・ロード】感想 ネタバレ有

 2023/05/07視聴。

 タイトルは知っていました。

 

 開幕早々に砂漠にいる可愛いトカゲが映って、案の定食べられるシーンから始まりました。

 髪の長い主人公かっこいい!と思う間もなく怒涛の展開で、主人公は何やらつらい過去があるようで色んな幻聴・幻覚にとらわれつつすぐに怖い人たちに見つかってつかまり、背中を踏み付けられ、車の後ろに長い紐で繋いで走らされ……と最悪続きでした。連れていかれた先でも両手両足を縛られて勝手に髪を切られたり、背中に入れ墨で情報を入れられたりと最悪を更新し(ここで主人公の血液がハイオクどうこう書かれていましたが、それが何なのか自分にはわからずじまいでした。)、向こうから髑髏のダサい焼きゴテまで持ってこられて、こんなのあまりに最悪過ぎると思っていたら突然主人公が鬼の抵抗を見せて縛めから抜け出し、周りを蹴散らしてどんどん逃げ始めたのでよかったです。いろんな幻覚を見ながらもすごい勢いで逃げます。何とか頑張りますが結局またつかまってしまいました。

 岩肌に大きな髑髏が彫られていて、ここを作った人は髑髏が大好きなんだろうなと思いました。

 その砦にいる男の人は塗っているのか白い人ばかりで、車のハンドル中央の装飾もでかでかと髑髏がついてて笑いました。中でも具合の悪そうなひとがプラスチックみたいな鎧を着せられ、ベルト部分にでっかい髑髏の装飾をつけられ、最後にかっこいい呼吸器みたいなものをつけていました。このひとがイモータン・ジョーというボスとのことでした。ボスの趣味でこんなに髑髏だらけなのかぁ……と思いました。短いシーンでフュリオサとウォーボーイズとV8、と聞きなれない名前が立て続けに出てきて、結局最後までV8が何のことなのかわかりませんでした。車のこと?小隊のこと?

 フュリオサはおでこから目元までをありえないほど黒く塗っているかっこいい綺麗なひとで、作中で人となりを知るより先に裏切り始めたことがわかります。こんなに綺麗ならボスの妻の一員にされそうなものなのにと思いました。ボス見る目ないんかな。

 男の人たちも目の周りを黒く塗っており、この世界の流行りの戦メイクかな~とのんきに思っていたらハンドルの接続部分の油的なものを手に取って顔に塗り直すシーンがあってびびりました。肌荒れやばそう。この世界じゃ自分は生きていけない……。

 ボスはこの辺を牛耳っているようで、岩肌に掘られたでっかい髑髏の顎あたりから下にいる群衆へ少しだけ水を撒いていました。ウォーボーイズという白い男の人たちはボスを崇拝しているようでした。良い軍団でも悪い軍団でも、大勢の上に立つ人は人を惹きつけるカリスマ性があるんでしょうね。

 ミルクがあるという話があったので、牛がいるのかな?と思ってたら人間の母乳工場的な部屋がありドン引きしました……。

 主人公は鳥かご的なところに入れられており、輸血をする時に鳥かごの底が開いてさかさまに宙吊りにされ、鎖骨あたりに刺された針から血を取られていました。これがまた怖い……。この砦は上記の母乳といい輸血といい出産といい、人間から資源を採る行為が不条理で工場的でとても怖かったです。

 どうも輸血をしないとやばいらしいウォーボーイが、主人公を輸血袋として車の前面に縛り付けて連れていくことにしていました。輸血袋、普通、車の外の前面に縛り付けるかな?嫌過ぎますね……シートに座っていいとしてもついていきたくなさ過ぎる。そもそも勝手に輸血させられてるのも嫌過ぎる。

 走行する車に大量のスピーカーがついていて、その前でギター弾かされてる人とかどのくらいお給料もらったらあんなことするんだろうな。

 ヤマアラシというグループ名のひとたちが出てきたのですが、車にいっぱいとげが付いてて名前の通りで可愛いなと思いました。ヤマアラシって自分たちでつけた名前なのかな。それとも、周りが言い出したのかな。どちらにしてもそう呼ばれているの可愛い。

 そこから裏切ったフュリオサを追跡しつつ砂嵐みたいなところにつっこんで大わらわですが、主人公を車内に入れることもなく俺を見ろと騒ぐ輸血されてる側のウォーボーイに対し、ちゃんとボーイのほうを向く主人公が可愛いです。ボーイズが死ぬぞ!って時に口にシューってするやつなんなんでしょうね。わからずじまいでした。あと、フュリオサが連れてった女の子たちがウォーボーイズは放っておいても死ぬ、と言っていましたが、それも何でそうなのかわからずじまいでした。

 フュリオサは子供を産むために捕まっていたボスの妻たちと逃げるために今回の裏切りを計画したとのことで、何やかやあり一緒に行くことになった主人公ですが、車外での鎖・口枷・お水ホースが邪魔な争いシーンもすごかったです。

 谷のあたりにいる人たちは、バイク移動でゴーグルしてたり被り物に耳が生えてたりして可愛かったです。でもモトクロス的な動きで飛びながら手投げ弾を車内へ放ってくるのでかなり嫌です。

 ボスが、主人公らの車に乗り込んで行くと志願したボーイの口に急にシューってしたところ笑いました。あのスプレーって人に勝手にかけていいものなの。

 輸血されていた側のウォーボーイ(ニュークスという名前)は崇拝していたボスに愛想をつかされて、主人公らが乗ってる車体の下を移動していると思ったらいつの間かもう見張りのスペースに入り込んでて怖かったです。見張り番をすると言った赤毛のお姉さんはお姉さんで、ボーイを見つけて言葉を交わすと一緒に寝転がって視線を合わせていい感じになってました。そんな場合じゃないでしょ!見張りなさいよ!何のための見張りだよ!ウォーボーイが乗り込んでいることをみんなに知らせろ!と思ったけど何事もなくてよかったです。その後、ぬかるんだ場所でみんなが車外に出てタイヤに何か噛ませたり困ったりしていたら、勝手に運転席に乗り込んで急に車を動かすウォーボーイのニュークスと、助っ人よぉ!と得意げに叫ぶ赤毛のお姉さん、危な過ぎる。信頼度的にも不安だし、単純に事故の元なので急にそういうことはしないでもらいたいと思いました。

 車を停めて何やらしているうちに、俺を待つなと言って追手の方へ歩いていく主人公、かっこよかったです。戻ってくるも血まみれで「血が出てる」→「彼の血じゃないわ」と言われる流れもかっこいい!言われたい言葉ランキングに入れたいです。

 周りに両手両足が竹馬みたいなひとがちらほらいたのが不気味でした。

 フュリオサがみんなから離れ、義手を落としながら膝をつくシーンが絶望的で綺麗でした。

 バイクで塩の湖(海?)を渡るのにフュリオサが一緒に行かないか誘うも、一人で行くという主人公。「希望は持たぬことだ。心が壊れたら残るのは――”狂気”(MAD)だけだ。」と主人公が忠告するところで、じゃあマックスってなに?もしかしてあなたの名前か?と思いました。そうでした。

 一旦は別々に出発するも主人公がすぐ合流してきて、そこからはまたスピーディーな展開で、あっという間に追手に追い付かれます。口に燃料を含んで車のエンジンか何かに吹き込んで速度を出す、ということをお互い繰り返して加速していましたが、これって実際にあることなのか、やっていいことなのかわからなかったです(車に詳しくないので。)。

 敵側のケチな中ボス、乳首部分の服が切り取られていて乳首ピアスが見えるようになっているのがなーんか嫌でした。別に服もピアスも好きにすりゃあいいんだけど、なーーーんか嫌。

 しなる長い棒の先にひっかかってぐよんぐよん揺れながら攻撃を仕掛ける係、すごいこと考えるなと思いました。絶対にやりたくない。くくり付けられてるわけでもなく、つま先を輪っかの部分にひっかけているだけというのが恐ろしいです。でもこの人たちが車内からひとを攫ったり上から何か投げ込んできたりと大活躍でした。

 ギター係のギターは先端部分から火が出ていました。かっこいいですね。そういうギター、ほしい。

 輸血されていた側のウォーボーイ・ニュークスが今度は静かに同じセリフを言うシーン、かっこよかったです。

 みんな協力して戦って、犠牲もたくさん出て、最終的に「イモータン・ジョーは死んだ!」と言うところ、悪い奴はそのくらいじゃ死なない!脳天に数発打ち込め!とハラハラしましたがちゃんと死んでたみたいでよかったです。剥がしたやつ、呼吸器じゃなかったのかな。

 車ごと人力エレベーターに乗って上がっていく中(群衆もいっぱい乗ってるけど強度大丈夫か?)、砦へは上がらず人混みに紛れていく主人公がまたかっこよかったです。フュリオサと視線だけ合わせる感じで、作中はほんの短期間だったと思いますが、共闘したふたりの決別の瞬間という雰囲気が感じられてよかった……。ここに留まらないという生き方、かっこいい。自分だったら確実に砦に残って畑係兼雑用係みたいなポジションで生きていく……実際そうやって生きていきたい……。

 

 主人公が見ていた幻覚などわからない部分がいくつかあったなと思って検索してみたら、マッドマックスはシリーズものでした。しかも怒りのデス・ロードは4シリーズの4つ目でした。でも、前作を観ていない状態でも楽しめました。荒野大爆走カーチェイス、爆発、銃撃戦、乱闘とすごい迫力でした。

 主人公とフュリオサの関係性もよかったです。

 全体的な世界観や登場人物に、敵味方関係なく愛着がわくような映画でした。